幼老複合施設にはメリットもあるが注意すべきリスクがあります。例えば多くリスクから利用者を守ることが、幼老複合施設の介護職員の役割です。介護職員は、いかなる時でも高齢者の様子を注意深く観察する必要があります。特に施設内で交流会やイベントが催される場合には、高齢者だけでなく幼児の行動を観察することになるでしょう。年端もいかない幼児たちが、高齢者の常備薬を飲んでしまったり、高齢者にぶつかってしまったりする事故が想定できるからです。子どもの予想できない行動は、大事故にもなりかねません。幼老複合施設で働く介護職員は、危険を回避する努力が必要です。
施設内の感染症予防策を講じるのも介護職員の務めです。インフルエンザやノロウイルスが流行する季節に入ると、幼老複合施設では集団感染を未然に防ぐことが大切になってきます。抵抗力の弱い高齢者が感染症を患った場合、重症化する恐れもあるからです。併設された保育所で集団感染が起こった場合、高齢者への感染予防に徹する必要があります。介護職員自身も、幼児との接触があった際は、いつも以上に体調の変化に気を配ることになるでしょう。
様々なリスクがあると同時に、メリットが大きいのも幼老複合施設の特徴です。施設に入所している高齢者たちは、幼児と交流する中で気持ちが明るくなり、生きがいを持てるようになるケースが多くあります。また、認知症を患った高齢者の場合、幼児と触れ合うことで症状が和らぐ効果も期待できます。利用者の見守りや体調管理など、幼老複合施設で働く介護職員に求められる役割は大きいですが、その分やりがいを持って臨めるのが幼老複合施設内の仕事なのです。